平成２９年度農作業安全総合対策推進事業
「ＰＵＳＨ」型の普及啓発活動の取組事例
はじめに
農林水産省が公表した平成２８年の農作業死亡事故件数は３１２件であり、前年より減少したものの横ばい状況が続いており、同省は政策目標として平成３１年までに１５％削減し（平成２５年対比）２９８件を掲げています。また、死亡事故件数における８割以上が６５歳以上、そのうち約４割を８０歳以上が占めており、高齢農業者に対する事故防止の対策強化が求められています。
このため、農林水産省では「農作業安全総合対策推進事業」を設け、平成２８年度には新たな啓発資材として、農業者が有するリスクやその対策をまとめた「リスクカルテ」を作成するとともに、労働安全衛生コンサルタントを農作業安全アドバイザーとして養成し、安全に係わる他産業のノウハウの活用が進められています。
平成２９年度は、２８年度に引き続き本事業を当協会が実施することとなり、（一社）日本農業機械化協会と連携し、関係団体、都道府県等のご協力の下に、農作業安全アドバイザーを活用し、新たに「ＰＵＳＨ型」の取組を強化した啓発活動を行ってまいりました。
具体的には、地域の関係者と連携し、農作業安全アドバイザーなど専門家による実際の農作業現場の点検や農業者への啓発等、地域の実情に即した活動を実施し、農業者へのアプローチの仕方など新たな手法や仕組みづくりに資することを目的に、現地検討会等を開催いたしました。
また、農業者の身体機能も作業環境の１つと捉え、農業機械展示会等のイベントにおいて、農業者の有効視野（Ｕｓｅｆｕｌ ｆｉｅｌｄ ｏｆ Ｖｉｅｗ）を測定し衰えなど注意を促すとともに、リスクカルテに記載されている対策の中から実施するものを選択し、「私の農作業安全宣言」として個別具体的な改善に取り組んでいただく啓発活動を推進してまいりました。
これらの取組の概要を取りまとめましたので、農作業安全対策に携わられる皆様に少しでも参考になれば幸いです。
これらの取組の推進に当たり、多くの関係機関・団体等のご協力・ご支援をいただきましたが、特に、事業全体の進め方等について貴重なご意見をいただきました「事業推進検討会」の米川座長はじめ委員の皆様方には心からお礼申し上げます。
平成３０年 ３月
一般社団法人 全国農業改良普及支援協会
１）新たな啓発活動に関する現地検討会：北海道津別町（９月２７日）（ＰＤＦ）
別添１：私の農作業安全宣言（ニンジン選果場）（ＰＤＦ）
別添２：私の農作業安全宣言（タマネギ選果場）（ＰＤＦ）
２）農作業安全啓発活動に関する現地検討会：鳥取県倉吉市（２月２２日）（ＰＤＦ）
別添：私たちの農作業安全宣言（四王寺営農組合）（ＰＤＦ）
３）「ＰＵＳＨ」型の普及啓発活動の記録
①身体機能測定（有効視野検査：ＵＦＯＶ）の実施
農作業安全講習会や農業機械士を参集した研修会等出席者のほか、農業機械展示会参加者
等を対象として実施。
・農作業安全講習会：北海道津別町（８月１８日）（ＰＤＦ）
・農業機械士全国大会：宮崎県宮崎市（７月１２日）（ＰＤＦ）
・農業機械利用技術研修会：富山県富山市（１１月１０日）
・ヤンマー（株）農業機械展示会：熊本県益城町（７月２６日～３０日）（ＰＤＦ）
・井関農機（株）農業機械展示会：三重県津市（１月１９日～２０日）（ＰＤＦ）
・ＪＡ全農ちば 農業機械展示会：千葉県長柄町（１０月２７日～２８日）（ＰＤＦ）
・ＪＡ農機かごしま 農業機械大展示会：鹿児島県霧島市（１１月１６日～１８日）（ＰＤＦ） ほか
・累計実施者数：２０５人
別添３：ＵＦＯＶ検査チラシ（ＰＤＦ）
別添４：ＵＦＯＶ検査マニュアル（ＰＤＦ）
別添５：ＵＦＯＶ検査結果（ＰＤＦ）
②「私の農作業安全宣言」の実施
①のＵＦＯＶ実施者のほか、労働安全衛生コンサルタントや農研機構農業技術革新工学研究センター研究員を講師とした研修会参加者を対象として実施。
・集落営農法人協議会研修会：香川県丸亀市（９月４日）（ＰＤＦ）
・農作業安全研修会：京都府亀山市（１月２９日）（ＰＤＦ）
・農作業事故ゼロ推進研修会：千葉県山武市（１月２４日）（ＰＤＦ）
・農業機械に係る地域安全研修会：千葉県君津市（２月１６日）
・農業機械に係る地域安全研修会：千葉県旭市（２月２７日）
・累計実施者数：７３２人
別添６：私の農作業安全宣言（乗用トラクター）（ＰＤＦ） （ｗｏｒｄ）
別添７：私の農作業安全宣言（穀物用コンバイン）（ＰＤＦ） （ｗｏｒｄ）
別添８：私の農作業安全宣言（歩行型トラクター）（ＰＤＦ） （ｗｏｒｄ）
別添９：私の農作業安全宣言（刈払機）（ＰＤＦ） （ｗｏｒｄ）
別添１０：私の農作業安全宣言（ハーベスター）（ＰＤＦ） （ｗｏｒｄ）
※適宜ダウンロードしてご活用ください。
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