質問 |
出願品種の特性調査において、比較すべき対象品種や類似品種の特性値が少ない品目の場合、調査を進める上で困窮してしまうのですが、その対処法を教えて下さい。 |
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回答 |
特性の調査は、出願予定の新品種、標準品種及び最も類似すると思われる品種(対照品種)を同条件、同環境で栽培して比較して決めるのが原則です。しかし、審査基準にある標準品種を全て入手して栽培することは困難です。このような場合、入手可能なものだけを入手して、また対照品種はご自分の手持ちの品種の中で、又は市販されている品種の中で新品種と最も類似すると思われる品種を選定して新品種と同条件で栽培して調査をすることが必要です。
また、形質によっては該当する標準品種が入手できない場合があると思います。その場合は、出願者の栽培経験からその種類の植物の中で大体どの程度に位置するかを判断して特性値を決めるか、或いは、その形質の各品種の実測値(通常10個体以上の計測値の平均値)を記載することもよい方法だと思います。
形や色などの質的形質は審査基準の図やカラーチャートで確認をすればよいのですが、標準品種は、栽培により変動する量的な形質(計測できる形質)を補正するために使われるものです。そのため同じ条件で栽培して比較しなければなりません。記録だけから比較しても正しい結果とはなりませんのご注意ください。
更に、出願書類作成については特性表上の必須項目及び主張すべき特性(対照品種との区別性)の調査だけでよいのですが、出願後種苗審査室審査官や栽培試験担当者から特性の問い合わせ等がありますので、できるだけ多くの特性を調査しておく方がよいでしょう。出願者ご自身ができるだけ多くのデータを保有しておく方が、結果的に審査が早く終了できることになると思います。
(平成20年10月)
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